「収入」を稼ぐ仕事をしている限り、消費者のデマンドをリサーチし、それを提供して、広告するのは当然だと思います。別に問題ないのではないでしょうか?問題は「何が」デマンドであるのか分かっていないように見えることです。
逆に私が言いたいのは、これからの広告業は今までのように行かないのではないか。まさに、プチトマトさんがおっしゃるような「本当の幸せとは自然が身近にあって、家族との時間が長くもてて・・・」などというようなことを打ち出していかないと売れないのではないか、ということです。
昔、公害の反省で環境基準を日本で厳しくしたそうです。それで自動車メーカーは文句を言っていたのですが、それに合うように改良した結果、走行距離ごとの燃料消費量が少なくなり(その分排ガスも減る)燃費がいい、となり日本車が人気を持つきっかけになったそうです。今度のトヨタのプリウス、というのも中途半端な車ですが、これはカリフォルニア州で排ガス基準が極端に強くなるのを見越して作ったものです。
このように経済というのはおかしなところがあって、一見、経済収益上マイナス、と思えるような環境規制、とかがかえって、経済発展に結びつくことがある、ということです。持続的発展、とか言われているのもこういうものです。私の前の解答の最後に書いた、
「と言ってもフランスみたいに遊ぶだけでなく、ボランティアや、ちょっと違った興味を通した新しい人間関係を作り出す時間、なんかに使ってみればいいわけです。日本人は働きたがりですから。
こういう新しい関係が、また今までとは違った需要を生み出し、かえって持続可能な経済発展を可能にさせる可能性もあります。」
というのはそういう意味です。一見、経済発展に結びつかないような「自然を楽しむ」「文化を楽しむ」「環境を守る」というのがこれからは逆にビジネスになるのでは、いや、はっきり言って、そういう視点が無いビジネスはやっていけないだろう、ということです。
私は素朴純粋環境主義ではないので、「ビジネス」という言葉をごらんのように肯定的にとらえています。それは自分たちの頭で状況を判断し、色々考え、新しい創造を行うことです。たとえば田舎で農作業の手伝いをするなんて面白くない。東京に出ておしゃれな生活をしたい、と思う若者がいるのも分かります。しかし、農業をビジネスとしてどうやって良くしていくか、自分にとって意義あるものにしていくか、ということは面白いのです。そのことを知らないし、やろうとしていないだけです。
もちろん、自分たちでやることはリスクがあります。失敗する可能性があります。しかし、既存の経済構造や大会社に振り回され続けるよりはいいのではないでしょうか。例えば、国内の観光は軒並み不況だそうです。しかし、地元の人材が協同組合、NPOなどを作って、地域の発展を行った、山梨の清里や九州の湯布院などは伸びているそうです。東京の企画会社なんかや中央官僚がこしらえた地域発展モデルなどに乗っかった地域が衰退しているのとは対照的です。もちろん、別に敵対的にやる必要はありませんが(笑)。必要なところは手を借りながらやるべきでしょう。
ようするに自分たちの頭で考える、という習慣を持つことです。そして、そういうビジネスが実践できる場所を地域に持つことです。さもなければ東京への頭脳流出は続くでしょう。面白くないんですから。そして、東京では過密のために交通量が増し、ヒートアイランド現象が続き、電気の無駄遣いが続くでしょう。
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