[ 緊急掲載 ] |
イラク戦争のいんちきな理由 マイケル・クレアー(米・ハンプシャー大学教授) |
- 中略 - イラクとその周辺国に民主主義を促進させる。 サダム・フセインを追い出し、イラクに真の民主主義政府を誕生させれば、それは周辺のイスラム国家のいいお手本になり、理想の民主主義がアラブ世界まで波及するだろう・・・とブッシュ政権は主張する。 事実をあげれば、ドナルド・ラムズフェルドやディック・チェニーを始めとする現政権のリーダーたちの多くは、1980年代には、フセインの独裁政治を喜んでサポートしていた。当時アメリカの最大の敵はイランだったので、イランと戦争をしていたフセインは、「敵のそのまた敵は味方である」という理由で、フセインを「事実上の友人」扱いしていたのだ。 1980年から88年まで戦われたイラン・イラク戦争の間、レーガン・ブッシュ(父)政権は、イラクのフセイン政権にさまざまな援助を行っていた。 当時、米国防省はイラク政府に、イランの軍備配置に関する極秘のスパイ衛星写真を渡していた。1983年11月1日、アメリカ国務省の高官たちは、イラクがイラン軍に対して化学兵器を(ほとんど毎日)使用しており、アメリカが渡しているスパイ衛星写真が、イラク軍がイラン軍を極めて正確に攻撃するのに役立っている、という報告を受けたにもかかわらず、スパイ衛星写真をイラク政府に渡し続けていたのである。 1989年に国防長官の椅子についたディック・チェニー(現副大統領)もまた、イラクのフセイン政府に極秘諜報資料を提供し続けた。 こうしてみると、イラク攻撃には、別の動機が働いていると考えざるをえない。 最初に示した3つの理由は正当化できなくても、イラクの石油をコントロールしたいという下心は、先制攻撃を始めるのに十分な動機となりえるだろう。もしそうだとしたら、ブッシュ大統領はこの隠された動機をアメリカ国民にちゃんと説明し、国民が本当にその手の戦争をしたいのかどうか、私たちに決めさせてほしいものである。 (訳・パンタ笛吹) Bogus reasons for War on Iraqby Michael T. Klare Mr. Michael T. Klare is a professor of peace
and world security studies at Hampshire College in Amherst, Mass,. Translation and Japanese distribution of this
message is permitted by Professor Michael T. Klare on March 11, 2003 |
[ HOME ] |